2022年、格安SIMで10分かけ放題はいらないのか?
もともとネット接続中心のサービス設計だった格安SIM。当初、通話料はどこも30秒当たり20円という従量制課金でした。
ところが最近は1回10分間までかけ放題の通話オプションを提供しているところが多くなりました。
また専用アプリを通した通話では30秒当たり税込11円(通常料金の半額)というところが増えています。
毎月のデータ容量とともに、自分がはたしてどれぐらい使うのか、どの料金プランなら安く済むのかなかなか読みにくいのがこの通話部分ですよね。
友人などLINEユーザー同士だったら、よほど通話品質にこだわらない限りLINE無料通話で済んでしまいますから、それ以外の通話時間を見積もらないといけないわけです。
結論から言うと、週2回までの通話(LINE無料通話を除く)でおさまるなら、10分間かけ放題のオプションに加入しない方がお得です。
(お店、学校、会社、役所など1回数分の通話で済むことを前提)
記事本文では、かけ放題のある大手格安SIMをタイプ別(専用アプリ不要で通話可能か否か、通話料が基本料金に含まれるか否か)に紹介するとともに、スマホでの電話の使い方に応じた最適な格安SIMとその料金プランをご案内します。
(※本記事は2022年5月現在の各社公式情報などに基づいています。)
10分かけ放題のある大手格安SIM9社とその料金体系
10分間かけ放題を提供している大手格安SIMは、以下の9社です。(楽天モバイルの完全かけ放題含む)
- 専用アプリ利用による10分かけ放題オプションのあるサービス:mineo、イオンモバイル、OCNモバイルONE、IIJmio、BIGLOBEモバイル
- 専用アプリを使わず10分かけ放題オプションのあるサービス:UQモバイル、ワイモバイル
- 基本料金に含まれるかけ放題メニューのあるサービス:楽天モバイル(Rakuten UN-LIMITやスーパーホーダイに含まれる)
この大手9社以外にも10分間かけ放題のある格安SIMが存在するかもしれません。
しかしレッドオーシャン化している格安SIM市場で今後淘汰が予想されるので、上記以外の弱小会社のサービスは選択すべきではないでしょう。
この10分かけ放題オプションは、各社で微妙に料金が異なります。
- mineo:月額550円(税込)
- IIJmio:月額700円
- UQモバイル、ワイモバイル:月額770円
- BIGLOBEモバイル:月額913円
- イオンモバイル、OCNモバイルONE:月額935円
10分かけ放題オプションを申し込まない場合、専用アプリで通話をすれば、30秒当たり11円の従量制課金になります。(UQモバイルとワイモバイルは専用アプリはなく、30秒当たり22円)
また10分かけ放題オプションを申し込んだ場合、1回当たりの通話が10分を超える部分も、専用アプリによる通話なら同様に30秒当たり11円の従量制課金です。(UQモバイルとワイモバイルは30秒当たり22円)
Rakuten UN-LIMITは国内通話もかけ放題となっていますが、Rakuten Linkアプリを使う必要があります。(このアプリを使わないと30秒当たり22円)
10分かけ放題の料金で、従量制ならどのぐらい通話できるのか
キャリアサブブランドのUQモバイルとワイモバイルの場合
UQモバイルとワイモバイルの10分かけ放題の料金770円で、従量制課金の場合どれぐらいの時間使えるかを計算するとこうなります。
770円÷22円×30秒=1,050(秒)=17分30秒
つまり1ヶ月に合計17分以下の通話時間ならば、10分かけ放題プランに加入しない方がお得になるわけです。
MVNOであるmineoやイオンモバイルなどの場合
MVNO(mineo、イオンモバイル、IIJmino、BIGLOBEモバイル、OCNモバイルONE、LINEモバイル)の10分かけ放題は専用アプリを通した通話の場合、30秒当たり11円と、サブブランドの半額となります。
各社10分かけ放題オプションの料金は多少異なりますが、イオンモバイルの月額935円で従量制課金の場合どれぐらい通話できるかを計算するとこうなります。
935円÷11円×30秒=2,550(秒)=42分30秒
UQモバイルやワイモバイルの2.4倍の通話時間になります。
さらに具体的に考えてみましょう。
従量制課金にした方がお得なケース
レストランなどお店の予約や問い合わせ、学校や会社への事務連絡の電話なら1回3-5分で済むでしょう。
長電話になりそうなのは病院や役所などへの問い合わせでしょうか。電話したあと、担当の課を呼び出すのに時間がかかりますからね。
それでも平均通話時間でみるとだいたい1回4分ほどで済みます。
(※友人・知人への通話はLINE無料通話で済みますので除外します。)
UQモバイルやワイモバイルの月額770円分の通話時間17分あれば、1ヶ月に4回はかけられる計算になります。
一方、イオンモバイルなどMVNOの月額935円分の通話時間42分あれば、1ヶ月に10回は通話できます。
まとめると、従量制課金にした方がお得になる合計通話時間と通話回数イメージは次のようなります。
- UQモバイル、ワイモバイルの場合:1ヶ月に通話17分以下(1ヶ月に4回ほど)
- イオンモバイル、OCNモバイルの場合:1ヶ月に通話42分以下(1ヶ月に10回ほど)
10分かけ放題に申し込んだ方がお得なケース
上記では1回4分間の事務連絡通話という平均値で計算しました。
これに数回でも10分以上長時間の通話が加わると、すぐにオーバーしそうです。
固定電話やガラケーユーザーの親への通話、会社での業務での利用などで長電話が発生すると危険ですね。
面倒だからと自分の個人のスマホで会社業務の連絡に使ってしまうことは実際ありますからね。
こうしたケースがありそうな方は、素直にかけ放題オプションに加入すべきといえるでしょう。
10分以外のかけ放題料金プラン
UQモバイルでは、1ヶ月合計通話時間料金が60分間までの通話パックというオプションも用意されています。
大手3キャリアのオンライン専用プランにおいてもかけ放題プランがある中、特にLINEMOでは5分かけ放題月額550円が契約から1年間は無料となっていてお得です。
IIJmioでは1回3分までかけ放題で月額660円というユニークなプランを用意しています。(家族への通話は同金額で10分までかけ放題)
無制限かけ放題(電話回線)のある格安SIM
電話回線を使った完全かけ放題のプランのある大手格安SIMは、以下の5つになります。
シンプルS/M/L スーパーだれとでも定額(追加月額1,870円)
スマホプラン 国内通話かけ放題(追加月額1,870円)
Rakuten Linkアプリで国内通話かけ放題(無料)
通話かけ放題トッピング(追加月額1,670円)
通話定額(追加月額1,650円、1年間は1,100円)
ワイモバイルやUQをモバイルはそれぞれソフトバンクやauというキャリアサブブランドとしての格安SIMだからこそのメニューといえます。
Rakuten UN-LIMIT Yでは毎月1GBまでの利用ならデータ通信も通話もなんと永続的に無料となります。3GBでも月額1,078円と破格の料金設定です。
この他、電話回線ではないIP電話として無制限かけ放題のプラン「050かけ放題」を提供しているのがイオンモバイルです。
登録事務手数料1,100円、月額1,078円で、専用アプリを使った通話が何回でも何分でもかけ放題になります。
さて、皆さんはスマホでどのような電話の使い方をするでしょうか。
これらの情報が皆さんの格安SIM選定へのヒントになれば幸いです。
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