2020年普及率30%を超えた格安SIM/格安スマホ。今後求められるのは知名度、安心感、わかりやすさ
価格コム、「格安SIM・大手携帯キャリア満足度ランキング2020」を発表 - PRTIMES(2020/2/20)
格安SIMの利用に関し、価格.comを過去半年以内に利用した15〜69歳の男女4,919人を対象にした価格コムによるアンケート調査結果が発表されました。
評価項目は「総合満足度」の他、「月々の支払料金」「通話料金」「事業者の信頼性」「通信速度(日中)」「通信速度(夜間)」「速度(夜間)」「サポート」「キャンペーンや割引」の8つ。
総合満足度では1位:LINEモバイル、2位:UQモバイル、3位:mineoという結果でした。
本記事ではこの調査結果からわかること、他の格安SIMの市場調査結果との比較、そして今後の格安SIMの市場展望、最後にわれわれユーザーが取るべきアクションについて解説します。
ドコモのシェア(普及率/利用率)を上回った格安SIM
上述した格安SIMシェアの順位には特に驚くことはないのですが、今回の調査での発見は、格安SIM全体の利用率(普及率)が下図の通り、シェアNo.1のドコモのそれをも上回ったことです。
ドコモ:30.5%に対して格安SIM全体が31.9%という数字でした。格安SIM全体は昨年の25.6%から約6ポイントアップです。
このシェア31.9%という数字ですが、マーケティングの世界で有名なイノベーター理論でいうところのキャズムを完全に超えていますね。
今後の格安SIM市場はイノベーター、アーリーアダプターに続くアーリーマジョリティをいかに獲得していくかが焦点となるわけです。
LINEモバイルはが1位なのは価格に鋭敏な価格コムユーザーを対象とした調査ということもあるだろうね。

あー、確かに。LINEモバイルはソフトバンクに買収されてから資金力に物言わせてキャンペーンが多いしね。
格安SIM/格安スマホ利用率/普及率に関する他の参考調査結果
こちらはMMD研究所が半年おきに実施している 「格安SIMサービスの利用動向調査」のデータです。
年々格安SIMの利用率が伸びてきているのは先の価格コムの調査と同じですが、こちらでは2020年11月発表の利用率(普及率)は22.5%(大手キャリアサブブランドのワイモバイル、UQモバイルを含む)となっています。
少しややこしいのですが、楽天モバイルのうち、2020年4月8日以前のMVNO(スーパーホーダイなど)利用者はこの数字に含まれているのですが、MNOとしてのRakuten UN-LIMITは含まれていません。
当サイトが格安SIMとして扱うRakuten UN-LIMITのメイン利用としてのシェアは同調査によると2.5%なので、合計すると格安SIMシェアは25%になります。
冒頭の調査数値と約数ポイントシェアが異なるのは、先の調査が価格コム利用者というITリテラシーの高めの層を対象とした調査だったせいでしょう。
格安SIM普及の鍵は知名度と安心感
今後ユーザーがアーリーマジョリティ層に広がっていくにあたって求められるのは、革新性や技術ではなく、不安を解消してくれる安心感です。
安心感とはブランド力に近しいといえるでしょう。
最近UQモバイルやmineoのテレビCMが目に付くのもうなずけます。
これまでmineoはパケットをユーザー間でシェアして利用できるフリータンクや、使い方の疑問をみんなで解決し合うマイネ王など先進的な取り組みで評価されてきました。
しかし母体企業の知名度が高いUQモバイル、ワイモバイル、楽天モバイル、イオンモバイル、OCNモバイルONEなどに比べると、知名度が低かったのは否めません。
2018年2月に関東初のリアル店舗をオープンしたのも、ブランド力を向上させてアーリーマジョリティを取りに行く戦略の一貫なのでしょう。
今後格安SIM市場は大手への寡占化が進んでいくものと予想されます。
格安SIM(MVNO)業者は市場全体で1,128社あると言われていますが(総務省調べ/2020年6月)、自分に合った業者を選ぶにあたって大事なことはシェア上位数社のコアバリューや特徴を把握することです。
一部分の魅力だけでは生き残っていけない市場だからです。
本サイトでは下記記事の通り、UQモバイル、mineo、楽天モバイル、ワイモバイル、イオンモバイルという特徴的な大手5社をおすすめしています。
それぞれの特徴をふまえて自分に合ったサービスを選択してみて下さい。
大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の平均月額料金は7,516円なのに対して、格安SIMユーザー(MVNO)の平均月額料金は2,830円と、毎月4,500円以上差があるのでキャリア解約手数料や端末残債を支払ってもすぐに元ととれてしまいますよ。(「スマートフォンに関する意識・実態調査2019」/ソニー生命保険調べ)
どれにしようか悩んでる暇があったらとりあえずでもキャリアから格安SIMに移行してみることです。
迷っている間毎月キャリアに無駄な数千円を支払う方がもったいないですよ。
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